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第25回吠える狸の落語会のお知らせ 受付開始12月2日(水)

日ごとに寒さが身にしみる頃となってまいりましたが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
例年なら窓を閉めて隙間風が入らぬようにして、部屋を暖め寒さを凌ぐ時季ですが、今年は何よりも換気が大切。
開けたドアを閉めずに立ち去る無礼者が評価されるのですから、身も心も寒さを感じます。

2020年12月27日(日)第25回吠える狸の落語会のお知らせです。
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夏目漱石『こころ』
先生(私)がお嬢さんとの結婚を母親(奥さん)に申し込む場面です。


私は突然「奥さん、お嬢さんを私にください。」と言いました。
奥さんは私の予期してかかったほど驚いた様子も見せませんでしたが、それでもしばらく返事ができなかったものとみえて、黙って私の顔を眺めていました。
一度言い出した私は、いくら顔を見られても、それに頓着などはしていられません。
「ください、ぜひください。」と言いました。「私の妻としてぜひください。」と言いました。
奥さんは年をとっているだけに、私よりもずっと落ち着いていました。
「あげてもいいが、あんまり急じゃありませんか。」ときくのです。私が「急にもらいたいのだ。」とすぐ答えたら笑い出しました。
そうして「よく考えたのですか。」と念を押すのです。
私は言い出したのは突然でも、考えたのは突然でないというわけを強い言葉で説明しました。


この小説のクライマックスと言ってもいい有名な場面です。
「言い出したのは突然でも、考えたのは突然でない」、先生のこの言葉が目に留まります。
私たちはある日突然行動を起こしたり、言葉で発したりするように見えても、そこに至るまで熟考して、時には悶々と思案して、いつも頭の片隅に置いては考えています。
その思考の過程をたまたま見せていないだけで、本人からすれば「突然」ではないのです。
明治時代、人には誰でも「こころ」があることを作者は描きました。
現代は、結果を求めるためにも、あえて思考の過程を見せたり、進捗状況を先方に伝え、根回しをするのが大切なようで、明治時代の「先生」のやり方では煙たがられるかもしれませんね。

ひとつの寄席を開催するまで、どれだけの時間考えてきたか、コロナ禍で考えるべきことが増え、ますます思いが募るばかりでして。
だからといって、お客様に大仰に押し付けがましい態度を取ろうというわけではありません。「落語やるから来てね!」いつもの軽いノリでございます。

さあ、激動の2020年、笑い納めましょう!吠える狸の落語会です。


今回も事前予約制(先着40名様)となります。


事前にメールまたは電話でお申込み頂きます。折り返しご返事いたします。
また、当日は感染症拡大防止のために様々な工夫を致します。
お客様にご迷惑おかけしますが、ご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

なお、当日の模様をYouTubeで生配信します。ご来場できない方はぜひご覧くだされば幸いです。
ただ、機材・通信等のトラブルによって配信できない場合もありますがご了承ください。
ご多忙の折とは存じますが、ぜひご来場いただきますようご案内申し上げます。

第25回吠える狸の落語会
 ●日時:2020年12月27日(日) 13:45開場 14:00開演
 ●場所:大森スポーツセンター 地下2F  小ホール 大田区大森本町2-2-5 京急本線「平和島」駅より徒歩6分
 ●出演(順不同):狐々亭さえの助、参遊亭小遊、千壱夜舞歌、かたばみ亭安芸、関大亭豆蔵、二松亭風林火山(長講一席申し上げます)
 ●木戸銭:無料
 ●ご観覧の際はマスクの着用をお願い致します。

 ※事前予約制(先着40名様)予約開始 12月2日(水)午前9時から

   【メール】hoetanu@gmail.com
   【電話】 070-5654-5888(事務局)


 ※You Tube生配信 【URL】 https://youtu.be/znYSUMJiX0E
当日、機材・通信等のトラブルにより配信できない場合もあります。ご了承ください。

『吠える狸の落語会』メンバー一同

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たぬき連

Author:たぬき連
社会人落語グループ「たぬき連」です。定期公演「吠える狸の落語会」を自由が丘地区で開催してます。