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たぬき連通信 2020.08.10号(不定期発信)

残暑お見舞い申し上げます。
たぬき連のさえの助です。
毎日暑い日が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
マスクで顔の下半分だけアセモができたりしていませんか?
冷たいものを飲み過ぎてお腹を壊していませんか?
いろいろシンドイ夏ですが、どうかお身体だけは大切にお過ごしくださいね。

さて、不定期配信でお届けしておりますたぬき通信、本日のテーマは「○○な夏の噺」!!

たぬきメンバーが夏になると聴きたくなる、とっておきの夏の落語をご紹介します。
図書館でCDを借りられるもの、YouTubeで聴けるものもたくさんあります。
興味を持っていただけたら、ぜひ聞いてみてください。

1. 聞くと涼しくなれる夏の噺
『夕立屋』舞歌
私が夏に聞きたい噺は、「夕立屋」という小噺です。
まだ落語を始めて間もない頃に、確か青菜のマクラでこの小噺を聞きました。
語ったのはとある美術館の館長さんで、素人落語の方。
夏の暑さ、にわかに曇る空、雷、雨、夕立の後の空。
ありありと伝わってきて、何より、夕立の後に体感温度が2度下がった気がし、人に物語を語る凄さを感じました。
短い話なのに、演者の声の抑揚や視線で私は古い家屋から一緒に空を見上げており、その中で描かれた映像美に痺れました。
いつかああいう風に話したい。あこがれました。いまも。

2. 苦い青春の1ページを思い出す夏の噺
『皿屋敷』豆蔵
落研2年目の夏。翌年の部長選びに重要な影響を及ぼすこの時期のネタ選びで、無謀にも部長ネタの一つと言われる「皿屋敷」を選びました。先代の春團治師匠の完コピを目指しましたが、そんなことが出来る訳もなく大沈没し、卒業するまで低迷するきっかけに。今でも夏になると、当時稽古していた関大の法文坂の横の段々の日差しとか草いきれを思い出して胸が苦しく、そんな時は深呼吸して他の楽しい事を考えるようにしています。
以上、つらい思い出でした(笑)

3. 大人の世界を垣間見られる夏の噺
『八月下旬』小遊
夏に聴きたい噺は「八月下旬」。柳家喬太郎師匠の創作落語です。
夏休みの終わりの、男の子と父親の噺。一人で電車に乗って父親の田舎に行く男の子が、OLさんと出会って話しかけられるのですが、その会話が秀逸。OLさんが彼に向かって「誰も来ないの?一人旅なんだ。ふーん、あんたも捨てられたの?」。
この、古典落語にあまりない心温まらない感じがツボでした(笑)

4. 怪談かと思わせて・・・な夏の噺
『おすわどん』安芸
柳家喜多八師匠で初めて聞いて、感動(?)しました。
二人の女と一人の男………一方の女がこの世を去ったその日から…………!
聞いている方の肝を冷やすような怪談要素もしっかり語られる。
………にも関わらず、終盤に行くに従ってガタガタとコミカル化していき(笑)、サゲはずっこける程の馬鹿馬鹿しさ!!
夏に聞く大好きな噺の1つです。

5. おばあちゃんを思い出す夏の噺
『千両みかん』ちゃん平
炎天下、みかんを探しまわる番頭。暑い夏にしか合わない噺。
演者によって、みかんのじょうのう(ふくろ)を食べたり食べなかったり。
東京の祖母はお腹を壊すからと白いすじを丁寧にとって、ふくろも残してました。
私も高座にかけることがありますが、果肉をチューチュー吸う場面では祖母を真似してます。
祖母を鮮明に思い出す大好きな噺です。

6. 労働者への応援歌ともとれる夏の噺
『唐茄子屋政談』さえの助
遊蕩の挙句勘当され、持ち金も尽きて自殺しようとしたところを親戚に助けられた若旦那。
嫌々ながら、天秤棒にかぼちゃを担いで売り歩く。
真夏の炎天下。うだるような暑さ。肩に食い込む唐茄子の重さ。
そんな中、田んぼの向こうに吉原が見えると、思わず浮かれていた頃の暮らしを思い出す。
志ん朝師匠はここで小唄を一節。これが絶品!!
暑い中、マスクをして仕事に出かけていく労働者への応援歌。頑張って働いたあとのビールはやはり美味しい(笑)

以上です。いかがでした?
聞いてみたい噺はありましたか?

次回は9月の落語会のご案内をお届けする予定です!どうぞお楽しみに!
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プロフィール

たぬき連

Author:たぬき連
社会人落語グループ「たぬき連」です。定期公演「吠える狸の落語会」を自由が丘地区で開催してます。