2019私のお気に入り☆風林火山編
- 2019/11/20
- 11:50
こんにちは、いつもお世話になっております、二松亭風林火山です。
風林火山 2019今年のお気に入り、と題しまして振り返りますと、
今年は囲碁の年だったなぁ、と実感しております。(落語ではないのか!!)
と、申しますのも、いや、落語もありますよ、それとは別に、
会社に囲碁の好きなオッサンがいて(といってもわたしが既にオッサンで)
その人が持ってるというか引き出しに入れていた「マグネット式囲碁」
(ちいちゃい二つ折りの碁盤に石が磁石でくっつくやつ)を昼休みにやっていたのですが、
二人ともアル中だから指が震えてやりずらいので、わたしの親父が還暦だか退職の時に、
プレゼントしたでかい立方体の足のついた碁盤と碁石セットが家にあったので
車で会社に運んで持っていき、本格的にそれを二人で囲んで始めました。
将棋や麻雀は学生時代や社会人の初めの頃やってたのでまあまあ強くはないけど出来ますが、
囲碁は生前親父の相手をぼーっとしてただけでまるで勝とうなどと気迫はなく
漫然とルールの範囲内で動かしていて、やっぱり会社でもそのオッサンとそうやって打ってたんだけど、
生前親父と使ってたその囲碁セットが会社にある、というその空間の妙味からくる錯覚からか、
頭がおかしくなって、ちゃんと囲碁やろう、などとイキッて「初心者の囲碁」みたいな
実用本の中の定石みたいなのを頭に入れ込みました。
書いててそれだけじゃないな、と想ったのは、親父との思い出とか、
そういう人情話にはならないのでご安心くださいというか、不安になる人もいないと思うけど、
そのオッサンが、わたしより少し年上だけど白髪長髪で
アインシュタインかキースリチャーズみたいな容貌で、服も変なんだけど、
若い頃は近所の囲碁の先生に弟子入りしてたという豪の者で、
やったらめったら囲碁強い。もちろんマグネット式の頃から強くて今も強いんですが、
その人の相手を日にちをおかずに2019年はそんな手合わせをしているうちに、
学生か社会人の頃に読んだエンターテイメント小説で、
トレバニアンという人が書いた「シブミ」って本を思いだしゴソゴソ家の本棚から取り出す。
「シブミ」は、外国が舞台なんですが、シブミって題名のとおり、
これは、孤高の老人でありながら殺し屋で
日本の囲碁好きなオッサン、ニコライって人が泣きついてきた人に頼まれて復讐するという
あまりに大雑把な説明でごめんなさい、日本の戦後や日本文化も出て来て、
わけても囲碁が大きなテーマで、フィクションの囲碁観戦記なんか出て来て、
よくある西洋人の「ちょっと間違っちゃった過大評価した東洋哲学感」てなところを、
おそるべきことにそういうユーモアを持って、パロディとして、とりあえずわかんないけど
我々西洋人はうなずくしかない、という方法しかとれませんね、と皮肉に滲んでくるんだけど、
ゲイシャとかフジヤマとかそんなのではなくちゃんとしてる、
そのくせ完全なパロディとしてその辺はわけて書いてて、
育ててくれた日本の父親から
「シブミを理解する大人の男になれ」と言われて、
囲碁を通じて知性を研ぎ澄まし、人生の究極目標をシブミの会得にある、という、
そういう外国人の引退した囲碁をマスターしたゴルゴ13みたいなニコライって暗殺者が、
かたや西洋最先端の今で言えばGoogleの社長みたいな黒幕(舞台は70年代)で
書かれた当時もまだネットや検索エンジンなど無い頃なのに、
この黒幕は、作戦をいちいちコンピューターに検索させて最善手を考える、という、
この検索の仕方もかなり異常なほど条件が厳しく→深いデータを入れすぎると、
敵の好きな嗜好品とかどうでもいい情報も出てくるから→検索条件データ入力エキスパートが入力、そういう、
たとえばAI対囲碁名人みたいな、世相で言えば個人対Googleみたいな、もろ現代みたいな戦い方、
闘争、その感じで、でもほんとは知性を経由した、「本能って何?」みたいな
肉体的なとこに着地するという、やったら長い小説で、
読んだときは「このミステリーがスゴい」のお勧めでお義理で読んだんだけど、若いからあまりピンこなくて、
だいたい、日本人のシブミ、をマスターした暗殺者ってなんだよ、ってなところもあるんだけど、
小説のその印象的な目次が記憶からずっと取れてなくて、
目次は囲碁用語で、「フセキ」「サバキ」「ツルノスゴモリ」とか、
とりわけ、この「ツルノスゴモリ」を、
そのオッサンと囲碁ってる時に唐突に思い出し、ツルノスゴモリって何?と聞くと教えてくれました。
ツルノスゴモリすると、絶対に勝てないらしいです。
(まあ逃げられないので)
ツルノスゴモリの布石↓

なんとなくですが本格的な囲碁セットで始めました昼休みの囲碁が「シブミ」を思い出させてくれて、
本と囲碁を行ったり来たり、シブミを会得出来たのは楽しかったです。
いや、会得出来てない(笑)
シブミを会得すると、仕事がもっともっと嫌になるという副作用(笑)
「シブミ」のトレバニアンは本職が大学教授で寡作ですが毎回ガラッと作風変えるので
楽しめて再読できると気づきました。
「夢果つる街」ってのも書いてるんですけど、20代の頃は何これ?なんですが、
いま再読すると、ダーッと泣きました。
総論
2019 また老けた。心身ともに。
失礼しました。
12月7日、メカになって頑張ります!
風林火山 2019今年のお気に入り、と題しまして振り返りますと、
今年は囲碁の年だったなぁ、と実感しております。(落語ではないのか!!)
と、申しますのも、いや、落語もありますよ、それとは別に、
会社に囲碁の好きなオッサンがいて(といってもわたしが既にオッサンで)
その人が持ってるというか引き出しに入れていた「マグネット式囲碁」
(ちいちゃい二つ折りの碁盤に石が磁石でくっつくやつ)を昼休みにやっていたのですが、
二人ともアル中だから指が震えてやりずらいので、わたしの親父が還暦だか退職の時に、
プレゼントしたでかい立方体の足のついた碁盤と碁石セットが家にあったので
車で会社に運んで持っていき、本格的にそれを二人で囲んで始めました。
将棋や麻雀は学生時代や社会人の初めの頃やってたのでまあまあ強くはないけど出来ますが、
囲碁は生前親父の相手をぼーっとしてただけでまるで勝とうなどと気迫はなく
漫然とルールの範囲内で動かしていて、やっぱり会社でもそのオッサンとそうやって打ってたんだけど、
生前親父と使ってたその囲碁セットが会社にある、というその空間の妙味からくる錯覚からか、
頭がおかしくなって、ちゃんと囲碁やろう、などとイキッて「初心者の囲碁」みたいな
実用本の中の定石みたいなのを頭に入れ込みました。
書いててそれだけじゃないな、と想ったのは、親父との思い出とか、
そういう人情話にはならないのでご安心くださいというか、不安になる人もいないと思うけど、
そのオッサンが、わたしより少し年上だけど白髪長髪で
アインシュタインかキースリチャーズみたいな容貌で、服も変なんだけど、
若い頃は近所の囲碁の先生に弟子入りしてたという豪の者で、
やったらめったら囲碁強い。もちろんマグネット式の頃から強くて今も強いんですが、
その人の相手を日にちをおかずに2019年はそんな手合わせをしているうちに、
学生か社会人の頃に読んだエンターテイメント小説で、
トレバニアンという人が書いた「シブミ」って本を思いだしゴソゴソ家の本棚から取り出す。
「シブミ」は、外国が舞台なんですが、シブミって題名のとおり、
これは、孤高の老人でありながら殺し屋で
日本の囲碁好きなオッサン、ニコライって人が泣きついてきた人に頼まれて復讐するという
あまりに大雑把な説明でごめんなさい、日本の戦後や日本文化も出て来て、
わけても囲碁が大きなテーマで、フィクションの囲碁観戦記なんか出て来て、
よくある西洋人の「ちょっと間違っちゃった過大評価した東洋哲学感」てなところを、
おそるべきことにそういうユーモアを持って、パロディとして、とりあえずわかんないけど
我々西洋人はうなずくしかない、という方法しかとれませんね、と皮肉に滲んでくるんだけど、
ゲイシャとかフジヤマとかそんなのではなくちゃんとしてる、
そのくせ完全なパロディとしてその辺はわけて書いてて、
育ててくれた日本の父親から
「シブミを理解する大人の男になれ」と言われて、
囲碁を通じて知性を研ぎ澄まし、人生の究極目標をシブミの会得にある、という、
そういう外国人の引退した囲碁をマスターしたゴルゴ13みたいなニコライって暗殺者が、
かたや西洋最先端の今で言えばGoogleの社長みたいな黒幕(舞台は70年代)で
書かれた当時もまだネットや検索エンジンなど無い頃なのに、
この黒幕は、作戦をいちいちコンピューターに検索させて最善手を考える、という、
この検索の仕方もかなり異常なほど条件が厳しく→深いデータを入れすぎると、
敵の好きな嗜好品とかどうでもいい情報も出てくるから→検索条件データ入力エキスパートが入力、そういう、
たとえばAI対囲碁名人みたいな、世相で言えば個人対Googleみたいな、もろ現代みたいな戦い方、
闘争、その感じで、でもほんとは知性を経由した、「本能って何?」みたいな
肉体的なとこに着地するという、やったら長い小説で、
読んだときは「このミステリーがスゴい」のお勧めでお義理で読んだんだけど、若いからあまりピンこなくて、
だいたい、日本人のシブミ、をマスターした暗殺者ってなんだよ、ってなところもあるんだけど、
小説のその印象的な目次が記憶からずっと取れてなくて、
目次は囲碁用語で、「フセキ」「サバキ」「ツルノスゴモリ」とか、
とりわけ、この「ツルノスゴモリ」を、
そのオッサンと囲碁ってる時に唐突に思い出し、ツルノスゴモリって何?と聞くと教えてくれました。
ツルノスゴモリすると、絶対に勝てないらしいです。
(まあ逃げられないので)
ツルノスゴモリの布石↓

なんとなくですが本格的な囲碁セットで始めました昼休みの囲碁が「シブミ」を思い出させてくれて、
本と囲碁を行ったり来たり、シブミを会得出来たのは楽しかったです。
いや、会得出来てない(笑)
シブミを会得すると、仕事がもっともっと嫌になるという副作用(笑)
「シブミ」のトレバニアンは本職が大学教授で寡作ですが毎回ガラッと作風変えるので
楽しめて再読できると気づきました。
「夢果つる街」ってのも書いてるんですけど、20代の頃は何これ?なんですが、
いま再読すると、ダーッと泣きました。
総論
2019 また老けた。心身ともに。
失礼しました。
12月7日、メカになって頑張ります!
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