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第21回吠える狸の落語会

春ひとり槍投げて槍に歩み寄る    
                         能村登四郎

【句意】
春休み中のがらんとした広い校庭。陸上競技の青年が一人、槍を投げては、突き刺さった槍のもとへとゆっくりと歩み寄っていく。



※「槍」……陸上競技の槍投げの選手が使用する投擲用の槍。

『令和』が始まりました。前回の『吠える狸の落語会』では多くのお客様に新元号を予想して頂きました。
「和」を予想されるなど惜しい方も数名いらっしゃいました。
ご参加ご協力ありがとうございました。

新元号が発表されたのは四月一日。学校は春休み。
スマホで新元号を確認する若者も多くいたようで。
一方、この句のような高校生も実際に存在します。

がらんとした広いグラウンドで、一人の青年が槍投げの練習をしている。
気合いを入れて投げた槍は、空中で小刻みに震え、光りながら、彼方の地面に突き刺さる。
青年は、やや俯きがちにゆっくりと槍に歩み寄り、自己の記録を確かめる。
そして、青年は槍を引き抜いて、またゆっくりと元へ戻り、同じ行為を繰り返す。
一人で黙々と練習に取り組む青年からは孤独も感じられる。
が、これを繰り返すことが記録向上のための練習なのである。

今回の『吠える狸の落語会』は「令和」最初の落語会です。
時代が変わろうとも、高座に上がる演者は誰もいない広いグラウンド(他人様に迷惑をかけない場所)で一人黙々と稽古をします。
その成果を発表するのが高座です。稽古を孤独に感じることもありますが、寄席当日にお客様の笑顔に会えるのならば、たいした苦労ではありません。

「令和」最初の落語会ということで、狸のメンバー及びゲストは一段と気合いが入っております。

ご多忙の折とは存じますが、ぜひご来場いただきますようご案内申し上げます。
皆様のお越しを心よりお待ち致しております。 
              
『吠える狸の落語会』メンバー一同

2019-6月ほえ狸チラシ(ゲストとも助さん)_page-0001
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たぬき連

Author:たぬき連
社会人落語グループ「たぬき連」です。定期公演「吠える狸の落語会」を自由が丘地区で開催してます。